冬の北海道に行く(take2)
今回の冬はどうしようかと、少し考えやはり夏に行った北海道の冬を見てみたいと直に思い立った。単身生活を終えあまり自分勝手な行動は慎むべきかとも思ったが、どうせ家にいても年末の掃除で一週間が終わってしまい後悔の年越しをするよりは、やりたいことをやって周りから非難を受けても自分としては本望である事と決心し、「冬の北海道行き」を決定した。
標題に「Take2」とあることから説明をする。そもそもこの旅行は、正月に入る前の長い年末休日を使って北海道に行き、せめて年の始めは自宅で過ごすとの計画「take1」を立案したことから始まる。 「Take1」は、今思えば無謀な計画でだったかもしれない。2泊3日の片道新幹線帰りは飛行機の往復工程で、札幌に2泊したまま富良野・美瑛に18切符で往復する強行計画。しかも服装のことはあまり考えず何とかなるだろう的ないつもの行動パターンで挑んでいた。出発は12月29日(月)。早朝の東京駅発「はやて」で八戸→室蘭→札幌と特急列車を乗り次ぐ計画で朝早くから家族をたたき起し最寄り駅まで送らせた。そこから中央線を使い東京駅までは順調な始まりだった。東京駅に着くと駅の中が大騒ぎになっていることを知る。 「システムトラブルで新幹線は始発から全面運行が停止している」との疑いたくなる実態があった。最初のうちは何のことか、わからず状況把握に10分ぐらいかかった。駅のアナウンスと駅員からの説明と聞くうちに予定していいた新幹線には乗れないことがだんだんわかってきた。運航再開は9時ころの見込みと約3時間遅れ。さらに、今後運休の列車は出るだろうし、時刻も保証できない有様だとの認識を持ち、引き下がる勇気を出した。仮に運良く新幹線に乗れても予定の札幌までは予約してある列車には乗れないわけで、そこまで苦労して行いく旅行ではない。すぐさま全ての予定をキャンセルした。帰りの飛行機だけはキャンセル料3000円とられたがその他は被害が出かなった。ここまでが「Take1」の顛末。
さて、年が明けて長かった年末年始の休暇が終わった、1月10日から「Take2」が始まった。
「Take1」の経験から、交通機関に何かあると計画がオジャンになる事と、今回のようにJRの問題で旅行をキャンセルしても飛行機のキャンセルは自己都合となり、キャンセル料を払わざるを得なくなる事を学んだ。この事から、往復を同じ交通機関の選択で計画した。兼ねてより飛行機異動は★高価★との認識であったが、それほどではないことと逆にJRより安い場合もあることが確認できた。
運賃比較<東京←→札幌>
交通機関 | 片道料金 (通常) | 片道料金 (割引) | 往復割引 | 備考 |
JR(新幹線他) | 22,270円 | 22,270円 | 39,480円 | 往復割引+特急料金乗り継ぎ割り引き |
ANA | 33,600円 | 13,400円 | 26,800円 | 旅割 |
SkyMark | 21,800円 | 13,200円 | 23,200円 | 前割10、お帰り割引 |
前置きが大変長くなったが、今回の旅行は1月10日~1月12日の3連休を使っての北海道行き。往復飛行機利用でそれ以外はJRの利用。もちろん青春18キップを利用したことは言うまでも無い。
今回の旅の相棒は手書きノートを選んだ。モバイルギヤ・シグマリオンⅢは半年ほど使っていなかったので、電池切れの為、連れて行けなかった。
1月10日(土)
青春18切符+αのはじまり。
「青春18きっぷ」と銘打っても実際往復を飛行機利用なのでちょっと違和感はあるが、このシリーズとして書き続けることにする。
午前11:00のSkyMark便であり羽田に余裕を見ても10:00までに到着すればよく、逆算して自宅を8時に出れば間に合うことになるがバスの時間から7時18分のだいぶ早い時間に出発した。荷物は、デイバックとウエストポーチにカメラ防寒用の服と着替えくらいと個人的には比較的少なめ。交通の状況は良好で、難なく羽田に着く。羽田空港を利用したのは8,9年ぶりになるか?もう忘れするくらいで、とても新鮮な心待ち。ネットで予約した空港券のチェックインを行う。SkyMarkのカウンターはNANAカウンターのはずれにあり、予約時に使ったクレジットカードで受け取れる。とても便利。早めに出発しているので早めに到着した。到着時間は新千歳空港に12:30なので、早めの昼食を頂くことに。空港ロビーには色んな選択肢があったが、とんかつのサンドイッチを買い求め、それをもって搭乗手続きをする。ミネラルウォータも一緒に買ったので、手荷物検査で「あけてませんか?」と尋ねられた。そうか、持ち込みできないので水は没収されるかと思いきや、開封していない場合はそのまま持ち込みできる。助かった。
11:45から搭乗時刻であるが、当日は到着先の天候が悪く、離陸許可が出ない事に。そのまま待合室で待たされる事になり、1時間後の12:10の出発時刻に延期され尚且つ先方の天候によっては、羽田に引き返すか旭川に着陸をすることの条件付きフライトになった。この条件を了解するかの確認もされないまま搭乗が行われる。仮に、羽田に引き返した場合の代金はどうなるのか不安のまま搭乗している自分がいた。
12:10 羽田空港
SKY111便は8-9割程度の満席状態。窓際に席をとり、三列並んだ席の真ん中は誰もいない状態でラッキー。小さな窓からは雪をかぶった富士山がきれいに見えた。何処から見てもやはり富士山はきれいだ。空から見る下界は見方が違いそのうちどこを飛んでいるか解らなくなってきた。上空から、特徴ある建物や川、海などを見つけ出さないとGoogleマップのように地域の境目や市町村名は書かれていないのでわからなくなってしまう。大きな川とゆったりした建物が目に入りよく目を凝らしたけっか、とある会社のA事業場であることがわかり、ひとりで興奮した。
何事も無く(羽田に引き返すことなく)新千歳空港に到着したのが14:00頃。空港は雪で真白な状態。雪も少し降っている。SkyMarkは他社に比べて非常に安い料金であるからか、羽田の搭乗も新千歳の降機もバスを使っての不便であったが、荷物を預けていないので降機後すぐにJRに乗り換えが出来14:19発の快速エアポートに乗ることができた。(飛行機が遅れたのに出発前に計画した時刻より少し早いJRに乗ることができた)
14:19 新千歳空港駅 AP15
新千歳空港にはJR北海道千歳線が通っていて、空港から直接JRに乗り換えることができる。みどりの窓口で14:19発の快速エアポート143号の指定席を買い求める。快速は勿論乗車料金だけで乗れるわけだが5両のうち1両だけは指定車両があり指定料金を払うことで札幌まで快適な空間を利用できることになる。 この指定車両は、「Uシート」と呼ばれていて300円でちょっとだけゆったりしたシートに座ることができるJR札幌だけの座席指定のことである。面白いものを発見した。前のシートの裏にはチケットフォルダーがついていて、ここに指定席券を入れていれば、検札の時に寝ていても起さないよ、ことかと想像する。なおこのチケットフォルダーには、降りるときには忘れるなとのメッセージも添えられていた。 札幌からは旭川に直接向かい旭川到着が14:20予定でもあり、出発までの時間で腹ごしらえの買い物をする。出発前に羽田でサンドイッチを食べたのにもう腹が減っている。駅の売店でまたサンドイッチと野菜ジュースを買いこみホームへ向かう。
新千歳空港駅を定刻に出発して一路札幌駅に向かう。札幌までは車窓から見える雪を見続けていた。びっくりする程の雪の量ではないが、ほんの2時間前にいた羽田から考えると驚きである。札幌までは35分で到着する。振り返って考えても外の雪が珍しかったのか、あっという間に札幌についた感である。
札幌からこの列車はL特急スーパーカムイ31号となりる。新千歳空港から札幌までの道のりの内、最後の2駅である白石まで戻った後で函館本線に入ることになる。そのため、今来た道を逆に戻るので、列車の前後向きも変わることになる。札幌駅に着くとシートの向きを変えなる為、係りの人が向きを変えにやってくる。ちなみに、新千歳から旭川に直接向かう場合は、札幌~白石間の乗車料金は乗車料金に含まれていないが、特急料金は札幌からになっている(鉄ネタ)。
旭川までは2時間(札幌からは1時間半)の所要時間。東京より東に位置しているので4時になるともう暗くなっている。
16:20 旭川着(函館本線)A28
旭川駅はすっかり暗くなっていた。駅から今日宿泊先である東横インまで歩くことにある。5分程度だと思うが小雪がちらつく天候で結構冷えているし、はじめて雪の上を歩くことになり、緊張気味で足を運ぶ。歩道の両側には雪がうず高くかきあげられていて路面はコチコチに凍っている。気を抜くとすってんころりんと転びそうになる。
早々にチェックインを済ませ、街中の散策に出かけるとする。ただし、外はもう真っ暗なのでフロントで簡単な地図をもらい駅周りだけの散策。旭川での見どころは・・・何か?地図を見ても自問自答しても出てくるのは旭山動物園とラーメンのことだけ。動物園は遠いしもう終わっていそうなので。。それでもいきなりラーメンもなかろうと、駅から歩き始めるが、確かに生活するのはいいところと思うが観光の観点では駅の周りには何もない。 小一時間トコトコ歩いたが、お目当てのラーメン屋に向かう。旭川にも多くのラーメン屋があると聞いているがどこが旨いのかはまるで知識がなく、地図を見て駅に近いところを探し、そういえば横浜ラーメン館にあった名前を見つけた。青葉。しかも本店だからさぞ凄いのかと期待しながら行ってみると、ちょっと期待はずれの門構えで、中に入ってもお客さんは数組いたもののちょっと活気を感じなかった。ここで塩ラーメンを頂き700円支払う。おいしかった。
1月11日(日)
07:43 旭川発(富良野線)A28
18切符の改札を行い、旭川から富良野線に乗る。ホームは7番線と改札から取っても遠いホーム(100m離れているらしい)からの出発で、始発駅である。ワンマンの2両編成。室内はとても暖かい。「さあ、今日の予定は?」とのんきな独り言を言い、時刻表を開いた。出発前から「美瑛」に行くことしか考えていなかったので、それ以外のことは考えていなかった。昨夜は、朝からずっと美瑛にいることを考えていたが、やはりせっかく来たのに・・と時刻表をにらみいったん富良野に行って1時間後の列車で美瑛に戻ることを決め、富良野まで向う。向かっている間の車内の中で、でもせっかく来たので、雪を満喫するためにも雪の中を歩き続けることもいいかなぁと。富良野から美瑛は道一本だし、その間の駅も6駅しかないので歩けるだろうと、気軽な気持ちでおりました。
8:54 富良野着 (富良野線) T30
富良野は雪の中であった。まず、駅傍にある富良野・美瑛広域観光インフォメーションセンターに立ち寄り、地図の入手と歩いたら・・質問をした。地図は色んなパンフレットの中でわかりやすいのを頂けたが、歩いて・・と聞いたら、返事がすぐにはなかった。しばらくして、車でも1時間くらいかかるよ。距離は30キロはあるよ、と。歩いて30キロ、しかも雪の中をきょろきょろしながらだったら10時間と計算され、これでは今日のうちに札幌にはいけなくなることは容易に想像できた。たかだか6駅なのにねぇ。山手線だったら同じ距離を29駅もあるのだから仕方ないかぁ。
とのことがあって、美瑛への折り返し列車までの1時間ちょっとを街の散策と決めた。富良野と言えば、倉本聡の「北の国から」が思い浮かぶが、残念ながら私にその思い出はなく、興味がわかない。駅でいただいたパンフレットから、行ってみるかと思ったのは「北海道中心標」だったが、歩いて探したが見つけきれず、ふと気がつくと列車時間がせまっており、走って駅まで行くことになった。心残り。
10:01 富良野駅発(富良野線) T30
美瑛に向けて列車に飛び乗った。ほとんど雪の中を列車は走っている。止まる駅はほとんどが無人駅で、バスのようにワンマンの運転手が整理券と現金の回収を行っている。ただし、バスのように下車するときにはボタンを押す必要はありません。人の乗り降りがない駅もありますが、運転手はちゃんとすべての駅に止まりますが、ドアは乗る人や降りる人が自分で開けますので、都内のように暖まった車内が寒くなりません。
10:39 美瑛駅着(富良野線) F37
やっと念願だった美家城に着いた。ここも雪のなかであった。駅舎は、自分のイメージではなく、真新しい建物で近代的であった。
この駅で降りて事前に調べた頭の中の地図に沿って歩くことにする。駅の改札の裏側が目的エリアになるので線路を渡る方法を探して駅前を歩いていたら、ちょうど看板が出ていて富良野方向に歩き始めた。春や、夏だったら多くの観光客が要るだろうにと思う駅前の歩道を歩いている。歩道は雪が積もっていて滑らないように気をつけながら歩く必要がある。 歩き進んでいると赤い橋がありなんか気になった。名前は美瑛川にかかっている「四季の橋」。橋の形と色が雪に生えて一目見ただけで気に入ってしまった。のちにWebでこの橋のことを調べたが、橋の経緯やなぜ「四季の橋」という名前なのか調べることができなかった。 橋を渡り、順をの看板に沿って駅の裏側に回る。(この順路は車のための道順で歩くのだったらもっと歩きやすい道があったとは思うが・・)国道237号線に出て、美瑛橋を渡り駅裏にやってきた。
ここから、「マイルドセブンの丘」を目指す。距離にして6Kmくらいの道のり。まるで人のいない雪道を白い息を吐きながら歩いている。 道は一本何ので間違えようがないが、車も走らないし人もいないので不安になってくる。「マイルドセブンの丘」は1977,8年ころ、タバコのマイルドセブンのCMで使われて呼ばれるようになったとのこと。この時分の記憶がなく実際の映像は記憶がない。その知らない丘を目指して歩くわけで、目的としているものが見つかるかは大変疑問である。ただ、その丘は目標地としている場所でありあくまでも雪の上を歩きながら広い大地を感じることを今回の目的にしているので、「見つからなかったらそれでも良い」との気構えで一歩一歩進んでいく。
歩く毎に、広い雪原が目の前にあらわれてくる。普通の民家が徐々に少なくなってきてそれらしい雰囲気を感じるようになってきた。これが楽しくて写真撮ったり、ゆっくり歩いたので約2時間かかり、「マイルドセブンの丘」と書かれた看板を丘の中に見つけた。写真を撮るのにベストな構図があるだろうが、よくわからないので、「バチバチ」とシャッターを押すが、帰って見るといまいちの構図ばかりで、実際に見た感動がなかなか伝わらない事がわかる。難しい。
「マイルドセブンの丘」の次は、「ケンとメリーの木」を目指す。距離にして約4キロの道のり。この道がまた感動の道であった。天気は今まで曇っていたがここに来て薄日が差すほどの回復があり、その光が雪を照らしてきた。そうすると雪が薄く反射してこれが「パウダースノー」と呼ぶんだろうと思える見せ方をしてくれた。その間も車が1台通っただけの静けさ。これが求めていた景色だ。
日産スカイラインの「4代目(1972年~1977年)」のコマーシャルで使われたポプラの木があります。写真では小さく写っていますが、実際10mくらいでしょうか結構大きな木でした。もう30年前のことなので忘れていましたが、こんな木だったように思えます。映像より歌のほうが記憶に残っていますねぇ。
何も食べずに、約6キロを歩き続け感動しました。疲れてきたしそろそろ時間も来たので、終わりにしたいと思います。
13:50 美瑛駅発(富良野線) F37
美瑛から再び富良野線に乗り、旭川~岩見沢~札幌と乗り換えながら札幌まで向います。ここからはワンマン車両です。おなかがすいたので、駅前のパン屋さんでパンをかって列車に乗り込みました。振り返れば、今回の旅は米のご飯を食べずにパンとラーメンしか食べていない。北海道で小麦がおいしいとの思いはなかったが、何となくそうなっている。
14:25 旭川駅着(富良野線) A28
旭川で次の電車を待つまでに1時間30分の時間がある。旭川~札幌間は利用者も多いと思うがほとんど特急1時間に2本ある反面、各駅停車は1~2時間に1本しかない。主要駅への交通は便利だがそれ以外の利用者はいない事とのことか。時間待ちのため一旦旭川の街に出る。昨夜も歩いたので概ね分かってるので、これからは最後の思い出にラーメンを食べに行く。今度のラーメン屋は梅光軒。昨日乗ったエアポートの座席パンフレットに掲載されていたラーメン屋だ。これで、今日は3食目の食事になる。
16:09 旭川駅発(函館本線) A28
旭川から電車に乗る。
17:52 岩見沢駅着(函館本線) A13
18:05 岩見沢駅発(函館本線) A18
18:42 札幌駅着(函館本線) 01
札幌にやってきた。札幌は、約30年前に訪れていて今回で2回目である。その時にも旧庁舎や時計台に来ているが、記憶がまるで欠落している。改めて庁舎におとづれて、夜のライトアップで感じも違うかもしれないが、とても奇麗な建物である。雪が降っていることもその効果を上げていることは言うまでもない。ここから、テレビ塔、時計台と定番コースを訪れ、今日の一日を閉じた。この日の宿泊は東横インで、ここで無料夕食サービスのカレーが出ているのでこれを頂き(本日4食目)、就寝した。
1月12日(月)
札幌周辺観光
朝から活動的に動き回った。宿泊場所から北大が近いので、8時ころから北大構内を散歩して、それからサッポロビールファクトリーに行って、札幌ラーメン横丁でラーメンを頂き、今回の北海道の旅を結んだ。
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