阿伏兎観音で

2003/08/12

 阿伏兎観音(あぶとかんのん)を紹介します。正式名は「磐台寺観音堂」の名を持つお寺の観音様です。 瀬戸内海国立公園に位置し、阿伏兎岬の突端で、古くから海上交通の人々の信仰を多く集めてきた。
 観音堂は、寛和のころ(986年)花山皇が、このあたり一帯の海上を往来する船の航海安全を祈願して岬の岩の上に十一面観音石造を安置したのが開墓と伝えられている。本尊の十一面観音は、子授け・安産・航海安全の祈願所として広く信仰を集めてきた。(門前の案内より)

観音堂は国の重要文化財にも指定され、現在の観音堂は、元亀元年(1570)、毛利輝元が大檀那となって建立したもので、輝元は永代灯明料を寄進しています。

 見事な眺望を誇り、志賀直哉の名作「暗夜航路」にも登場、安藤広重の「六十余州名所図解」の中にも観音堂の姿を見ることができます。また、十辺舎十九の「厳島参詣膝栗毛」にも登場し、 観音堂より見下ろせば 白波 足元に涌きかえりて目も眩む。。。と、多くの文学者をうならせています。さらに、福山藩の画家・、藤井松林の描いた極彩色の百花図の格子天井画も見ものです。

 背後の阿伏兎山(130m)一帯は森林自然公園として遊歩道が整備されています。

 絶壁に立った、観音堂へは、設備維持費の100円を払えば誰でも上ることができます。高所恐怖症の私には、ちょっと苦手な場所ですが、なぜかここに来ると必ず上ってしまいます。

 

あぶと

おっぱい

安産を祈願して、「おっぱい」のお供えが数多くあります。リアルなものから、 漫画チックなものまで作る人の個性が出ているような気がします。中央には、十一面観音石造が安置されています。恐怖で足を震わせながらのパチリでした。

ここのおっぱいは、定期的に取り替えられているようで、新しいものばかりでした。いっぱい子供を生んで、子孫を増やしてほしいと思います。

そうだ、京都へ

毬が上から落ちて来る京都のような景色ですが、観音堂に向かう階段です。このお寺は、妙心寺派のお寺で、少なからず京都の影響があるのだと思います。

「そうだ!京都へ行こう」

な~む
階段の下には、静かな仏像がたたずんでいます。
渋滞
楽しい見学でした。帰りはごらんの通りの大渋滞で疲れました。